「リースバックはやばい」という声がしばしば聞かれますが、その真相は一体何なのでしょうか?
リースバックとは、自宅を売却して現金化し、売却後は買主(リースバック事業者)と賃貸借契約を結ぶことで、売却した自宅にそのまま住み続けることができるサービス。
リースバックには、まとまった資金を調達できる、住み慣れた自宅に住み続けられる、ローンの返済の負担を軽減できるなどのメリットがあります。そのため、近年では利用者が増加しています。
しかし、リースバックにはトラブルのリスクも伴います。実際に、リースバックを利用した後にトラブルに巻き込まれるケースも少なくありません。
そこで今回は、リースバックのトラブル事例と注意点を解説します。リースバックを利用するかどうかを検討している方は、ぜひ参考にしてください。
リースバックとは?メリットやデメリットもご紹介
冒頭でもお伝えしたとおり、リースバックとは、自宅を売却して現金化し、売却後は買主(リースバック事業者)と賃貸借契約を結ぶことで、売却した自宅にそのまま住み続けることができるサービスのことです。
具体的には、自宅をリースバック事業者に売却し、リースバック事業者から自宅を賃貸借する契約を結ぶことになります。賃貸借契約の期間は、一般的に10年から30年程度。
リースバックのメリットは、以下のとおりです。
・まとまった資金を調達できる
・住み慣れた自宅でそのまま生活できる
・住宅ローンの返済を解消できる
一方で、デメリットとしては、以下のようなものが挙げられます。
・賃料を支払う必要がある
・リースバック事業者の審査に通る必要がある
・リースバック契約の条件によっては、売却価格が査定額を下回る可能性がある
以上が、リースバックの基礎的な知識となります。
ではなぜ、このリースバックが、「やばい」といわれているのでしょうか。次の項目から、その理由について解説いたします。
「リースバックはやばい」といわれる理由
「リースバックはやばい」といわれる理由は、前項目でもお伝えした内容と重複しますが、「家賃が高額になる可能性がある」「売却価格が適正価格でない場合がある」「買い戻しが困難になる可能性がある」という3点が主な原因として挙げられます。
ここから、「リースバックはやばい」といわれる要因について、それぞれ詳しく解説いたします。
家賃が高額になる可能性がある
リースバックでは、自宅をリースバック事業者に売却し、賃貸借契約を結びます。そのため、家賃が発生することになります。家賃は、リースバック業者が自由に設定できる場合があるため、高額になる可能性があります。また、賃貸借契約の期間が長いほど、家賃の総額が高額になる可能性があります。
売却価格が適正価格でない場合がある
リースバックは、自宅をリースバック業者に売却します。そのため、売却価格が適正価格でない場合があるのです。リースバック業者が実勢価格よりも低い価格で売却を勧めてきた場合、相場よりもかなり安く売却してしまうので注意が必要でしょう。
買い戻しが困難になる可能性がある
リースバックでは、買い戻し特約を付帯することで、一定期間内に買い戻すことが可能。
しかし、買い戻し価格が高額であったり、買い戻し条件が厳しかったりする場合、買い戻しが困難になる可能性があります。買い戻し価格が相場よりも高額であった場合、買い戻しが難しくなるリスクがあります。
また、買い戻し期間が短かったり、買い戻し条件が厳しかったりした場合は、買い戻しが困難になることもあるのです。
これらの理由から、リースバックは慎重に検討すべきサービスであると言えます。リースバックを検討している方は、これらのリスクを十分に理解した上で、利用を判断するようにしましょう。
リースバックにまつわるトラブル事例
リースバックの契約に関連した具体的なトラブル事例としては、以下のようなものが挙げられます。
・家賃が相場よりも大幅に高額になっていた
・売却価格が相場よりもかなり安かった
・契約更新の拒否によって退去を迫られた
・買い戻し価格が高額で買い戻せなかった
ここから、各事例について具体的にご紹介します。
家賃が相場よりも大幅に高額になっていた
リースバックのトラブルとして、家賃が相場よりも大幅に高額になっていたというケースは、実際に報告されています。
例えば、ある夫婦は、住宅ローンの返済が苦しくなり、リースバックを検討しました。複数の業者に見積もりを取りましたが、いずれの業者も相場よりも高い家賃を提示してきたため、最終的に契約を断念しました。
このように、リースバックの家賃は、リースバック業者が自由に設定できる場合があるため、相場よりも高額になるケースがあるのです。また、賃貸借契約の期間が長いほど、家賃の総額が高額になる場合もあります。
売却価格が相場よりもかなり安かった
リースバックのトラブルのひとつに、売却価格が相場よりもかなり安かったというケースがあります。
例えば、ある男性は、事業に失敗して資金が必要になり、リースバックを検討しました。しかし、リースバック業者から提示された売却価格は、相場よりもかなり安かったため、最終的に契約を断念しました。
リースバックでは、自宅をリースバック業者に売却することになります。そのため、売却価格が適正価格でない場合がある可能性があるのです。リースバック業者が実勢価格よりも低い価格で売却をすすめてきた場合、相場よりもかなり安く売却してしまうリスクがあることを覚えておきましょう。
契約更新の拒否によって退去を迫られた
リースバックのトラブルのなかには、契約更新の拒否によって退去を迫られたというものもあります。
例えば、ある夫婦は、リースバックで自宅に住み続けていました。しかし、契約満了時にリースバック業者から契約更新を拒否され、退去を迫られました。
すでにお伝えしておりますが、リースバックでは、賃貸借契約の期間は、一般的に5年から30年程度です。契約満了時に更新を拒否される可能性があるため、契約内容をよく確認しておくことが重要となります。
買い戻し価格が高額で買い戻せなかった
リースバックのトラブルでは、買い戻し価格が高額で買い戻せなかったといった報告も少なくありません。
例えば、ある男性は、リースバックで自宅に住み続けていました。しかし、買い戻し価格が相場よりも高額だったため、買い戻すことができず、退去を余儀なくされました。
リースバックでは、買い戻し特約を付帯することで、一定期間内に自宅を買い戻すことができます。しかし、買い戻し価格が高額であったり、買い戻し条件が厳しかったりする場合、買い戻しが困難になるのです。
リースバックを利用する際注意しておくべきこと
ここまで、リースバックが「やばい」といわれる所以を解説しました。
ですが、お伝えしたように、リースバックには、資金を調達できたり、住宅ローンの返済を解消できたりなど、メリットもあります。なにも、リースバックを利用すること自体が悪いというわけではないのです。
そこで、この項目では、リースバックを利用する際に注意しておくべきことをお伝えします。
リースバックを利用する方は、ぜひ参考にしてください。
具体的には、リースバック利用に際して注意しておくべきことは、以下の点。
・買い戻し価格や条件をよく確認する
・複数の業者に見積もりを取り、比較検討する
・賃貸借契約の期間や家賃を慎重に検討する
ここから、解説していきます。
買い戻し価格や条件をよく確認する
買い戻し価格は、契約内容によって異なります。買い戻し価格が相場よりも高額な場合は、契約を断念することも検討しましょう。
また、買い戻しに関する条件も、契約内容によって異なります。買い戻しに関する条件が不明確な場合は、契約前にリースバック業者に確認しましょう。
ただ、買い戻し価格や条件については、リースバック業者と交渉することも可能です。複数の業者から見積もりを取り、比較検討した上で、納得できる条件で契約するのがおすすめです。
また、買い戻しは、あくまでも一定期間内に行う必要があります。買い戻し期間を過ぎてしまうと、自宅を買い戻すことができず、退去を余儀なくされる可能性があります。
そのため、買い戻し期間内に必要な資金を用意しておくことが重要です。
複数の業者に見積もりを取り、比較検討する
リースバックでは、家賃や売却価格、買い戻し価格など、さまざまな条件が契約内容によって異なります。そのため、複数の業者に見積もりを取り、比較検討することが大切です。
複数の業者に見積もりを取ることで、相場を把握することができます。相場を把握することで、妥当な条件かどうかを判断することもできます。
また、複数の業者から見積もりを取れば、交渉の材料になりますし、複数の業者から見積もりを取った上でより良い条件を提示してくれる業者を選ぶことができるのです。
リースバック業者を選ぶ際は、実績や信頼性を確認しておきましょう。リースバック業者によって対応やサービス内容は異なるため、自分の希望に合った業者を選ぶのがよいです。
賃貸借契約の期間や家賃を慎重に検討する
リースバックでは、売却した自宅をリースバック業者から賃貸するため、家賃が発生します。家賃は、リースバック業者が自由に設定できる場合があり、高額になる可能性も。また、賃貸借契約の期間が長いほど、家賃の総額が高額になるリスクもあります。
そのため、リースバックを検討する際には、賃貸借契約の期間や家賃を慎重に検討する必要があるでしょう。
家賃は、契約内容によって異なります。家賃の算出方法としては、以下のようなものが挙げられます。
・固定家賃
・変動家賃
・指数連動家賃
固定家賃は契約期間中は家賃が一定となりますが、変動家賃は契約期間中に家賃が変動する可能性があります。また、指数連動家賃は、契約期間中に物価指数などの指標に連動して家賃が変動する可能性があると覚えておきましょう。
まとめ
リースバックは、まとまった資金を調達できるなどのメリットがある一方で、家賃の負担が大きいなどのデメリットもあります。賃貸借契約の期間や家賃をしっかりと確認・検討し、メリットとデメリットをよく理解した上で、利用を判断するようにしましょう。