終活お役立ちコラム

エンディングサポートとは?生前・死後で何を頼めるか

一人暮らしで身寄りが遠い、家族に迷惑をかけたくない、亡くなった後の手続きが心配――そんな不安を具体的に減らす手段が「エンディングサポート」です。
この記事では、エンディングサポートで生前に頼めること(契約・預託金・書類保管・入院時対応など)と、死後に頼めること(死亡直後の連絡・葬儀・納骨・遺品整理など)を、自治体事業との違いも含めてわかりやすく整理します。
費用相場や追加料金が出やすいポイント、契約前に確認すべき書面まで解説するので、「結局どこまで頼めるのか」「いくらかかるのか」を知りたい方の判断材料になります。

エンディングサポートとは?終活支援としての役割と日本で広がる背景

エンディングサポートとは、人生の最終段階(生前の備えから死後の手続きまで)に発生する実務を、本人の意思に沿って支援するサービスの総称です。
終活というと「エンディングノートを書く」「お墓を決める」など準備面が注目されがちですが、実際には“やること”が多く、しかも本人が動けない局面が必ず出てきます。
そこで、死後事務委任契約や葬儀・納骨の生前契約、見守り・連絡体制、遺品整理の手配などを組み合わせ、家族の代わりに段取りを整えるのがエンディングサポートの役割です。
高齢単身世帯の増加、親族関係の希薄化、相続・不動産・賃貸契約など手続きの複雑化を背景に、自治体・民間の両方で広がっています。

エンディング(人生の最終章)で起きる課題:家族不在・一人暮らし高齢者の不安

エンディング期の課題は「気持ちの問題」だけでなく、具体的な“手続きの担い手がいない”ことに集約されます。
たとえば入院時の緊急連絡先、施設入所の身元引受、亡くなった直後の搬送手配、賃貸住宅の解約、公共料金停止、遺品整理などは、誰かが短期間で動かなければ進みません。
しかし、子どもがいない・遠方・疎遠、親族が高齢で動けない、そもそも頼れる人がいない場合、手続きが滞り、費用が膨らんだり、希望する葬儀や納骨ができなかったりします。
また「家族に迷惑をかけたくない」という思いから、相談が遅れて準備不足になるケースも多いです。
エンディングサポートは、こうした“担い手不在”と“準備不足”を埋めるための現実的な選択肢として注目されています。

「サポート」で何が解決できる?生前〜死後の事務・葬祭までの全体像

エンディングサポートで解決できるのは、本人の希望を「実行可能な形」に落とし込み、必要な人・お金・書類・連絡網を整えることです。
生前は、希望の整理(葬儀形式、納骨先、連絡してほしい人)、契約(死後事務委任、葬儀・納骨の生前契約)、預託金の準備、重要書類や鍵の保管、緊急時の連絡体制づくりなどが中心になります。
死後は、死亡直後の連絡・搬送、葬儀社との調整、火葬・納骨、住居の明け渡しに向けた家財整理、各種解約・精算など、期限がある事務を段取りよく進めます。
ただし、相続財産の分配や不動産の名義変更など「相続そのもの」は、遺言や相続人の手続きが必要で、サポートの範囲外または専門家連携になることが一般的です。

エンディングサポート協会(一般社団法人)や事業者が担う支援の範囲

エンディングサポートは、一般社団法人の相談窓口、終活支援事業者、葬祭事業者、士業(司法書士・行政書士・弁護士など)、見守りサービス会社、遺品整理業者などが連携して提供することが多い分野です。
協会や相談窓口は、終活全体の整理、サービス選定、専門家紹介、セミナー・相談対応など“入口”の役割を担うことがあります。
一方、実務の中心は契約に基づく「死後事務」の実行で、連絡・手配・立会い・支払いなどを行います。
注意点として、事業者によって対応範囲が大きく異なります。
「24時間365日対応の連絡体制があるか」「預託金の管理方法」「葬儀・納骨がセットか別契約か」「遺品整理はどこまで含むか」など、同じ“エンディングサポート”でも中身が違うため、契約書面での確認が重要です。

生前に頼めるエンディングサポート:契約・預託金・保管まで

生前のエンディングサポートは、死後に困らないための「設計」と「準備」を行う段階です。
具体的には、死後事務委任契約などの契約整備、葬儀・納骨の生前予約、費用の預託、重要書類や鍵の保管、緊急時の連絡体制づくり、入院・施設入所時の身元に関する支援などが含まれます。
ここで大切なのは、希望を“口約束”で終わらせず、実行者(受任者)と業務範囲・費用・連絡手順を明文化することです。
また、家族がいる場合でも「家族に任せる部分」と「第三者に任せる部分」を切り分けると、負担とトラブルを減らせます。
生前の準備が具体的であるほど、死後の追加費用や手戻りが少なくなり、本人の希望が実現しやすくなります。

委任契約・契約の基本:本人の希望をどう残すか

エンディングサポートの中核になるのが、死後の事務を依頼するための「死後事務委任契約」です。
これは、亡くなった後に発生する事務(葬儀・納骨、住居の解約、各種支払い、遺品整理の手配など)を、受任者が行うことを定める契約です。
ポイントは、何をどこまでやるかを具体的に書くことです。
たとえば「葬儀は家族葬で」「宗教者は呼ばない」「納骨は合祀墓」「連絡先はAとBのみ」など、希望が曖昧だと現場判断が増え、費用やトラブルの原因になります。
また、相続や遺産分割は別領域になりやすいため、遺言書の作成や遺言執行者の指定など、士業と連携して整理するのが安全です。
契約時には本人の意思確認が重要で、面談や本人確認書類、判断能力の確認手順が設けられることもあります。

預託金と費用の考え方:追加費用が出る状況と見積もりの見方

エンディングサポートでは、将来の支払いに備えて「預託金(あずけ金)」を用意する方式が一般的です。
預託金は、葬儀・火葬・納骨・遺品整理・住居明け渡しなど、死後に確実に発生する費用の原資になります。
見積もりを見るときは、基本料金に何が含まれ、何が別料金かを分解して確認することが大切です。
たとえば「葬儀一式」と書かれていても、搬送回数、安置日数、火葬料金、式場使用料、返礼品、僧侶手配などが別になっていることがあります。
また、死後事務の報酬(事務手数料)と、実費(葬儀社・納骨先・清掃業者への支払い)が混在しやすいので、内訳が明確な見積もりを求めましょう。
追加費用が出やすい条件(遠方対応、特殊清掃、家財が多い等)を事前に想定し、上限や追加時の承認手順を決めておくと安心です。

重要書類・鍵・遺言関連の保管と、緊急時の案内(連絡)体制

死後の手続きは、書類と情報が揃っているかで難易度が大きく変わります。
そのため生前に、保険証券、年金情報、銀行口座、賃貸契約書、公共料金の契約情報、スマホのロック解除方法、葬儀・納骨の契約書、連絡先リストなどを整理し、必要に応じて事業者が保管・管理する体制を作ります。
鍵の預かりも重要で、住居への入室ができないと、安否確認や死後の家財整理が進みません。
ただし、鍵や個人情報の管理はリスクもあるため、保管方法(耐火金庫、貸金庫、封印管理)、開封条件、アクセス権限、記録の残し方を確認しましょう。
緊急時の連絡体制としては、24時間365日受付の有無、救急搬送時の連絡フロー、病院・施設からの連絡先登録、近隣協力者の設定などが現実的な差になります。
「誰が、いつ、どこに連絡するか」を図にしておくと、いざという時に迷いません。

入院・施設入所時の支援:身元に関する対応と家族・協力者との連携

入院や施設入所では、身元保証人や緊急連絡先を求められる場面があり、単身者にとって大きな壁になります。
エンディングサポートの一部として、入院時の連絡対応、必要書類の準備支援、退院・転院時の調整、施設入所の手続き補助などを行う事業者もあります。
ただし「身元保証」そのものは、提供可否や条件が事業者・地域・医療機関で異なり、万能ではありません。
そのため、家族がいる場合は家族に担ってもらう範囲を決め、難しい部分を第三者が補う形にすると現実的です。
協力者(友人・親族・後見人等)を設定し、連絡順や意思決定の範囲を共有しておくと、医療・介護の現場で混乱が起きにくくなります。
また、任意後見契約や見守りサービスと組み合わせることで、判断能力低下時の支援まで含めた設計が可能になります。

死後に頼めるエンディングサポート:死亡後の手続きから葬儀・納骨まで

死後のエンディングサポートは、時間制約のある対応を「確実に実行する」フェーズです。
亡くなった直後は、医療機関・施設・警察などからの連絡を受け、搬送・安置・葬儀社手配を短時間で決める必要があります。
その後も、葬儀・火葬・納骨、住居の解約や明け渡し、公共料金停止、遺品整理、関係者への連絡など、やることが連続します。
本人の希望が文書化されていれば、喪主や親族がいない場合でも、一定の手順で進められます。
一方で、相続手続き(遺産分割、名義変更など)は相続人や遺言執行者の領域になりやすく、サポートは“死後事務”に限定されることが多い点は理解しておきましょう。
契約時に「死後に誰が何をするか」を線引きしておくことが、トラブル回避につながります。

死亡直後の対応:連絡・搬送・必要な事務処理と時間の目安

死亡直後は、最初の数時間〜24時間程度で必要な判断が集中します。
病院や施設で亡くなった場合は、搬送先(自宅・安置施設)を決め、葬儀社へ連絡し、遺体搬送と安置を手配します。
自宅で亡くなった場合は、かかりつけ医がいれば死亡診断書、状況によっては警察対応が必要になることもあり、連絡先と手順が整っているかが重要です。
エンディングサポートでは、事前に登録された連絡網に沿って関係者へ連絡し、搬送・安置・葬儀社との調整を行います。
時間の目安として、搬送手配は当日中、安置日数は葬儀日程により数日になることが一般的です。
この段階で「誰に連絡するか」「宗教形式」「葬儀規模」などが決まっていると、現場の迷いが減り、費用も読みやすくなります。

葬儀・葬祭の手配:プラン選定と喪主代行の可否

葬儀の手配は、本人の希望と予算、参列者の想定に合わせてプランを選びます。
家族葬、一日葬、直葬(火葬式)など形式によって費用も準備も変わるため、生前に方向性を決めておくとスムーズです。
エンディングサポートでは、葬儀社との打ち合わせ、日程調整、必要書類の準備、供花や返礼品の手配、関係者への連絡などを支援します。
「喪主代行」が可能かどうかは事業者・地域・葬儀社の運用によって差があり、完全に喪主を名乗れるとは限りません。
ただし、実務上の窓口(施主としての手配・支払い・進行管理)を担う形で、葬儀を成立させる支援は多くのケースで可能です。
宗教者の手配、戒名、読経などを希望する場合は、費用と段取りが増えるため、見積もりの内訳確認が欠かせません。

納骨・遺骨の扱い:希望に沿った埋葬方法と改葬の注意点

納骨は、本人の価値観が強く反映される領域です。
一般墓、納骨堂、樹木葬、合祀墓、散骨など選択肢が増えている一方で、受入条件や管理費、宗教条件、遺骨の保管期限などが施設ごとに異なります。
エンディングサポートでは、納骨先の選定補助、必要書類の案内、納骨日の調整、当日の立会い、費用支払いなどを行うことがあります。
注意したいのは、後から納骨先を変える「改葬」には、改葬許可申請など手続きが必要で、関係者調整も発生しやすい点です。
また、合祀墓は一度合祀すると遺骨を取り出せない場合が多く、意思決定は慎重に行う必要があります。
生前に「どこに、どの方法で、誰が立ち会うか」まで決めておくと、死後の迷いと追加費用を減らせます。

遺品整理・家財の整理と処分:業務範囲、立会い、トラブル回避

遺品整理は、作業量とリスクが大きく、トラブルが起きやすい工程です。
家財の分別・搬出・処分だけでなく、貴重品探索、書類の仕分け、リサイクル・買取、清掃、原状回復、場合によっては消臭や特殊清掃まで関わります。
エンディングサポートとしては、遺品整理業者の手配、見積もり取得、作業日の立会い、鍵の管理、処分方法の指示、賃貸の明け渡し調整などを担うことがあります。
トラブル回避のためには、業務範囲(探索の範囲、残す物・捨てる物の基準、写真・データの扱い)、立会いの有無、追加料金条件(階段作業、家財量超過、危険物)を契約前に明確化することが重要です。
また、相続に関わる可能性がある通帳・印鑑・権利書・貴金属などは、処分せず保全するルールを決め、記録(写真・リスト)を残す運用が安心です。

自治体のエンディングサポート事業とは?民間との違いと併用のコツ

近年は自治体でも、身寄りのない高齢者等の不安を減らすために、終活支援やエンディング支援の事業が増えています。
自治体の強みは、相談窓口としての安心感、地域資源(包括支援センター等)との連携、制度案内の充実です。
一方で、自治体が直接「死後事務を全部やってくれる」わけではなく、葬祭事業者との生前契約支援や情報提供、登録制度など“支援の枠組み”を提供する形が中心です。
そのため、実務の実行部隊として民間サービスを併用する設計が現実的なケースも多いです。
この記事では、自治体事業の典型的な内容と、民間との違い、併用の考え方を整理します。

自治体が実施する事業の例:対象(高齢者等)・支援内容・申請の流れ

自治体のエンディング支援は、主に「身寄りがない、または頼れる親族が乏しい高齢者等」を対象にすることが多いです。
支援内容は自治体により異なりますが、典型例としては、終活相談の強化、エンディングノート配布、葬儀・納骨の生前契約に関する情報提供、協力葬儀社の紹介、緊急連絡先や意思の登録制度などが挙げられます。
申請の流れは、窓口(地域包括支援センター等)で相談し、対象要件の確認、登録・面談、必要書類提出、協力事業者との契約支援へ進む形が一般的です。
費用面では、相談自体は無料でも、葬儀・納骨・死後事務委任契約に伴う費用や預託金は自己負担となるケースが多い点に注意が必要です。
自治体は“契約の当事者”にならないことも多いため、最終的な契約内容の確認は本人が行う必要があります。

神栖市・旭川・神戸市エンディングサポートの特徴(地域ごとの違い)

自治体の取り組みは、同じ名称でも目的と範囲が異なります。
たとえば、葬儀・納骨の生前契約を支援するタイプ、終活相談や講演会など啓発中心のタイプ、登録制度で意思や連絡先を整理するタイプなど、地域課題に合わせて設計されています。
神栖市のように「生前の葬儀・納骨契約を市が支援する」枠組みを整える自治体もあれば、旭川のように地域の相談体制や情報提供を厚くする方向、神戸市のように相談支援の強化や市民向け講演会など“入口支援”を重視する方向もあります。
この違いは、自治体が直接実務を担うかではなく、地域の事業者ネットワークや相談資源をどう組み合わせるかの違いとも言えます。
利用者側は「自分の自治体が何をしてくれるのか」を確認し、足りない部分を民間サービスや士業連携で補う発想が重要です。

自治体×民間事業者の協力・連携でできること/できないこと

自治体と民間を併用すると、相談の安心感と実務の実行力を両立しやすくなります。
自治体は、制度案内、相談窓口、協力事業者の情報提供、登録制度などで“迷子にならない導線”を作れます。
民間は、24時間連絡体制、鍵・書類管理、死後の現場対応、遺品整理の立会いなど“実働”を担いやすいのが強みです。
一方で、自治体にはできないこともあります。
たとえば、個別の相続トラブルの解決、遺産分割の調整、すべての費用負担、無制限の現場対応などは難しいのが一般的です。
併用のコツは、自治体で「相談・情報・登録」を整え、民間契約で「死後事務の実行」を確保し、相続や法的手続きは士業に分けることです。
役割分担が明確だと、責任の所在が曖昧にならず、トラブルを防げます。

費用相場とプラン比較:何にいくらかかる?追加料金を防ぐ設計

エンディングサポートの費用は、依頼範囲と地域、住居形態(持ち家・賃貸)、家財量、葬儀形式などで大きく変わります。
そのため「一律いくら」と断定するより、内訳を理解して自分の条件に当てはめることが重要です。
費用は大きく、事務手数料(受任者の報酬)と、実費(葬儀・火葬・納骨・清掃・処分費など)に分かれます。
追加料金を防ぐには、想定外が起きやすいポイント(遠方対応、特殊清掃、親族調整、不動産が複数など)を先に洗い出し、上限設定や承認フローを契約に入れることが有効です。
ここでは、プランの内訳、増額要因、預託金管理、契約前の書面確認を整理します。

プランの内訳:事務、葬儀、納骨、遺品整理、保管、連絡体制

プランは「何が含まれているか」を分解して比較すると失敗しにくいです。
特に、死後事務の範囲(解約・精算・明け渡し立会い等)と、葬儀・納骨の実費がセットか別かで総額が変わります。
また、連絡体制(24時間対応か、営業時間内か)や、鍵・書類保管の方法も品質差が出やすいポイントです。
以下は、よくあるプラン構成の比較イメージです。

区分 含まれやすい内容 別料金になりやすい内容
死後事務(基本) 死亡連絡受付、搬送手配、関係者連絡、各種解約の手配、明け渡し調整 遠方出張、複数回の立会い、親族調整、行政手続きの追加
葬儀 直葬・火葬式の基本セット、安置、火葬手配 式場使用、返礼品、会食、宗教者手配、安置延長
納骨 合祀墓・納骨堂の基本、納骨立会い 永代供養料の差額、改葬、個別墓の建立・管理費
遺品整理 分別・搬出・処分、簡易清掃 特殊清掃、消臭、買取査定、家財量超過、階段作業
保管・連絡体制 書類・鍵の保管、緊急連絡先登録 24時間駆け付け、見守り機器、定期訪問

費用が増える典型例:遠方対応・特殊清掃・複数不動産・親族調整などの状況

追加費用が出るのは、作業量が増えるか、専門対応が必要になるときです。
典型例を知っておくと、見積もり段階で条件を揃えられます。

  • 遠方対応:受任者が現地に行く回数が増えると、交通費・日当・宿泊費が発生しやすいです。
  • 特殊清掃:孤独死などで体液・臭気が強い場合、通常清掃では対応できず高額化します。
  • 家財量が多い:大型家具・家電、物置、複数部屋、ゴミ屋敷状態は処分費と人件費が増えます。
  • 賃貸の原状回復:修繕範囲や退去条件で費用が変動し、交渉が必要になることもあります。
  • 不動産・拠点が複数:自宅以外に別荘・倉庫・駐車場契約などがあると、解約・整理が増えます。
  • 親族調整:連絡先が多い、意見が割れる、連絡が取れない場合は時間がかかりやすいです。

これらは「起きたら請求」になりやすい領域なので、契約時に追加条件と単価、上限、事前承認の方法(誰が承認するか)を決めておくと安心です。

預託金の管理方法:返金条件・残額精算・第三者管理の有無

預託金は、将来の支払いを確実にする一方で、管理方法が不透明だと不安が残ります。
確認したいのは、預託金が「誰の名義で」「どこに」「どんなルールで」保管されるかです。
事業者の口座で一括管理されるのか、分別管理されるのか、信託や第三者管理があるのかで安全性の考え方が変わります。
また、途中解約や契約変更の際に、返金される範囲と手数料、精算のタイミングを明確にしておく必要があります。
死後に実費が想定より少なかった場合の残額精算(誰に返すのか、相続人か、指定先か)も重要です。
逆に不足した場合の追加支払い方法(誰が負担するか、上限はあるか)も決めておくと、現場で止まりません。
預託金は“安心の原資”なので、金額だけでなく管理の仕組みを比較することが、後悔しない選び方につながります。

契約前に確認したい書面:重要事項説明、業務範囲、免責、解約条件

エンディングサポートは長期契約になりやすく、契約書面の質がそのまま安心度になります。
口頭説明だけで進めず、必ず書面で確認しましょう。

  • 重要事項説明:料金体系、追加費用条件、連絡体制、個人情報の扱いが明記されているか確認します。
  • 業務範囲:死後事務として何を行い、何を行わないかが具体的に列挙されているかが重要です。
  • 免責条項:天災・交通事情・第三者都合などで履行が遅れる場合の扱いを確認します。
  • 解約条件:解約手数料、返金の計算方法、書類・鍵の返却、データ削除の扱いを確認します。
  • 再委託の有無:遺品整理などを外部委託する場合の責任関係、見積もり承認の流れを確認します。

不明点は「例外時の運用」を質問すると実態が見えます。
たとえば「孤独死で特殊清掃が必要になったら誰が判断し、いくらまで、誰の承認で進めるか」まで確認できると、追加請求トラブルを避けやすくなります。

契約の流れと準備:生前にやっておく整理で死後の安心が変わる

エンディングサポートは、契約して終わりではなく、生活状況の変化に合わせて更新・見直しをすることで効果が最大化します。
特に、転居、入院、介護度の変化、連絡先の変更、希望の変化(宗教観、納骨先など)が起きると、古い情報のままでは死後対応が滞ります。
契約の流れは、相談→面談→希望整理→見積もり→契約→預託→情報保管→定期更新、という形が一般的です。
この過程で重要なのは、本人の意思を具体化し、家族や協力者がいる場合は役割分担を共有することです。
また、相続や遺言、任意後見など法的領域は別途整備が必要になることが多いため、どこまでをエンディングサポートで担い、どこからを士業に任せるかを整理しておくと安心です。

申し込み〜面談〜契約〜実施の流れ:本人確認と意思確認のポイント

一般的な流れは、まず問い合わせ・相談で不安や希望をヒアリングし、次に面談で具体的な業務範囲と費用を詰めます。
面談では、本人確認(身分証、住所等)に加え、意思確認が重視されます。
なぜなら、死後の希望は本人の意思が前提であり、判断能力が不十分だと契約の有効性が問題になる可能性があるためです。
そのため、面談を複数回行ったり、希望内容を文書で確認したり、必要に応じて家族同席や医師の意見を求める運用を取る事業者もあります。
契約後は、預託金の入金、書類・鍵の預かり、緊急連絡先の登録、関係者への案内などを整え、実施(死後対応)に備えます。
契約時点で「連絡が入ったら最初に何をするか」をシミュレーションしておくと、実際の場面で迷いが減ります。

希望の整理:葬祭の形式、納骨先、遺骨、遺品、連絡先を決める

希望整理は、エンディングサポートの品質を左右します。
決めるべき項目は多いですが、優先順位をつけて“最低限の確定事項”から固めると進めやすいです。

  • 葬儀:直葬・家族葬など形式、宗教の有無、呼ぶ人の範囲、供花や返礼品の希望。
  • 納骨:墓地・納骨堂・樹木葬・合祀など、場所、費用上限、立会いの有無。
  • 遺骨:一定期間の自宅保管の可否、分骨の希望、散骨の希望と条件。
  • 遺品:残したい物(写真、手紙、貴重品)、処分してよい物、デジタル遺品(スマホ・SNS)の扱い。
  • 連絡先:必ず連絡する人、連絡しない人、連絡順、連絡手段(電話・メール等)。

ここが曖昧だと、死後に「誰に連絡するか」「どのプランにするか」を現場で決めることになり、時間も費用も増えがちです。
希望は途中で変わってもよいので、まずは“今の意思”を文書化しておくことが大切です。

家族との共有:反対・不仲・疎遠でも進めるための案内方法

家族がいる場合でも、終活や死後の話題は切り出しにくく、反対や誤解が起きることがあります。
しかし、共有がないまま契約すると、死後に家族が「聞いていない」と混乱し、手続きが止まるリスクがあります。
共有のコツは、感情論ではなく“事務の段取り”として説明することです。
たとえば「万一の連絡先と手続きの窓口を決めた」「費用は預託してある」「家族に金銭負担は発生しない設計にした」など、家族の不安を減らす情報から伝えると受け入れられやすくなります。
不仲・疎遠で直接伝えにくい場合は、事業者からの案内文、連絡カード、エンディングノートの保管場所の共有など、間接的な方法も有効です。
また、連絡してほしくない相手がいる場合は、契約書面に明記し、連絡範囲を限定する設計も検討できます。
家族関係が複雑なほど、事前の線引きがトラブル回避になります。

定期更新と見直し:人生の変化(転居・入院・介護)に合わせた対応

エンディングサポートは、情報が古くなると機能しません。
転居で住所や鍵が変わる、入院で連絡先が病院になる、介護で施設入所になる、親しい友人が亡くなる、希望する納骨先が変わるなど、数年で前提が変わることは珍しくありません。
そのため、年1回など定期的に、連絡先・希望・預託金の過不足・保管書類の更新を行う仕組みがあるか確認しましょう。
特に、緊急連絡先の電話番号変更や、スマホのロック解除情報の更新は見落とされがちです。
また、判断能力低下が心配な場合は、任意後見契約や見守りサービスと組み合わせ、意思決定支援と死後事務を分けて設計すると安心です。
見直しを前提にしておくと、「今は決めきれない」項目があってもスタートしやすくなります。

まとめ:エンディングサポートで生前・死後の不安を減らし、あんしんを得る

エンディングサポートは、身寄りの不安や家族負担を減らし、本人の希望どおりに生前・死後の段取りを実行するための仕組みです。
生前は、死後事務委任契約や葬儀・納骨の生前契約、預託金、書類・鍵の保管、緊急連絡体制、入院・施設入所時の支援などを整えます。
死後は、死亡直後の連絡・搬送から、葬儀、納骨、遺品整理、住居の明け渡しまで、期限のある実務を進めます。
自治体の終活支援は相談や登録など“入口”として有効ですが、実務の実行は民間契約が必要になることも多いため、役割分担して併用するのが現実的です。
選ぶ際は、業務範囲、追加費用条件、預託金の管理、解約条件、連絡体制を契約書面で確認し、想定外の増額を防ぐ設計にしましょう。
準備を具体化するほど、最期の不安は小さくなり、残される人の負担も軽くできます。

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